八重山上布は、苧麻糸を主原料として紅露をすり込み捺染した織物です。数ある沖縄織物の中でも、絣作りに「すり込み捺染」技法を用いるものは八重山上布のみで、夏着にふさわしく、白地に焦茶色の絣がくっきりと浮かんでいます。起源は定かでなく、歴史的に遡れるのは薩摩の侵入前後までとなっています。貢納布制度ができてからは王府の監督下で織られ、結果として精巧な絣柄織物が作られました。人頭税廃止後は、八重山の主要産業の一つに数えられるまでに発展しました。
八重山ミンサーは、木綿糸を藍やフクギなどで染めて経畝織に織った絣織物です。幅一寸五分から三寸程度の細帯のことをいいますが、近年は広幅の単帯用も増えています。起源は定かでありませんが、18世紀の初め、身分により服装を定める「冠簪の制」に木綿花の使用が記されていることから、この頃には八重山地方で製織されていたと考えられています。
原材料 | 苧麻糸 / 綿糸 |
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主な製造地 | 竹富町 |
主な製品 | 着尺 / 帯・ネクタイなど |
組合名・設立年月日 | 竹富町織物事業協同組合(平成元年1月18日) |
国指定伝統的工芸品指定年月日 | 平成元年4月11日 |
県指定伝統工芸製品指定年月日 | 昭和49年6月11日 |
出典 | 工芸産業振興施策の概要
竹富島ウェブサイト 竹富町観光協会ウェブサイト |
竹富町は沖縄県の離島、八重山諸島に属する9つの有人島と7つの無人島からなる島嶼(とうしょ)の町です。
赤瓦の民家と白砂の道など沖縄の伝統的な町並みが残る竹富島や大自然が残る西表島、日本最南端の有人島・波照間島など、今なお豊かな自然と文化の残る島が点在しています。
また、竹富町には多数の国・県・町の指定文化財が保存伝承されており、国指定伝統的工芸品と認められた八重山ミンサーや八重山上布の製作をおこなっています。