おきなわ工芸の杜おきなわ工芸の杜

概要・歴史

芭蕉布はバナナ(実芭蕉)の仲間である糸芭蕉の原皮から繊維をとって織り上げた織物です。夏物着尺として好まれ、一反を織り上げるのには約200本分の芭蕉の繊維と6ヶ月の期間を必要とします。軽やかでさらりとした風合いは肌にべとつかないため南国の風土に最適で、年間を通して一般庶民に愛用され、同様に琉球王朝時代には王族・士族の官服としても欠かせないものでした。
正確な起源は不明ですが、古文書等の記述によると12~13世紀頃から作られ16世紀には現在の糸作りとほぼ同様の技術が存在していたと言われています。琉球王府は、1648年に芭蕉布生産の振興のため芭蕉当職を設け、16~17世紀には中国・朝鮮への献上品や島津氏への献納布として用いられた記録が多数残されています。「喜如嘉の芭蕉布」は、昭和49年4月20日に国指定の重要無形文化財の保持団体認定を受けています。また、昭和49年6月11日に県指定伝統工芸製品、昭和63年6月9日には国指定伝統的工芸品として認定されています。

基本情報

原材料糸芭蕉
主な製造地大宜味村
主な製品着尺・帯地
組合名・設立年月日喜如嘉芭蕉布事業協同組合・昭和59年3月21日
国指定伝統的工芸品指定年月日昭和63年6月9日
県指定伝統工芸製品指定年月日昭和49年6月11日
出典工芸産業振興施策の概要
芭蕉布事業協同組合ブログ

主な製造地

大宜味村

第二次大戦までは県内各地で織られていた芭蕉布ですが、現在常時生産しているのは、沖縄県北部の西海岸に位置する大宜味村喜如嘉のみとなっています。「喜如嘉の芭蕉布」は、さわやかな絣柄をあしらった柔らかな風合いで、糸作りの工程をはじめ、全工程を手作業で行う伝統を守り続けています。芭蕉布の戦後の復興は、昭和20年頃に始まり、昭和30年に「喜如嘉芭蕉布工業組合」を設立して本格的な芭蕉布の生産活動が始まりました。昭和59年に「喜如嘉芭蕉布事業協同組合」を発足し、昭和60年度には、生産の拠点として大宜味村立芭蕉布会館が建設されています。着物以外にも生活に取り入れやすいのれんやテーブルクロスなどの製品も生産しています。

おきなわ工芸の杜について

当施設の基本情報や伝統工芸品の歴史、おきなわ工芸の杜』が果たしたい役割について紹介しています。

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