久米島紬は、真綿から手びきして紡いだ糸を島内で自生するフクギやテカチ、ユウナ等の豊富な植物染料と独特の泥染技法によって染色し製織されています。長い伝統に培われた技法・技術により作り出される丈夫さもさることながら、色調の素晴らしさや紬の気品あるしなやかな風合いと着心地の良さが高く評価されています。
その起源は、15世紀後半に堂之比屋が中国より養蚕技術を導入し、17世紀前半に王府から派遣された坂元普基と友寄景友らの技術指導によって基礎ができたといわれています。その後、税として納める貢納布に指定され、1903年の地租改正によって制度が解かれるまで、王府の監督のもと「御絵図帳」にそって製織されていました。「久米島紬」は昭和49年6月11日に県指定伝統工芸製品、昭和50年2月17日には国指定伝統的工芸品として認定されています。また、平成16年9月2日に国指定の重要無形文化財の保持団体認定を受けています。
原材料 | 真綿の手紡ぎ糸 |
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主な製造地 | 久米島 |
主な製品 | 着尺・帯 |
組合名・設立年月日 | 久米島紬事業協同組合・昭和45年1月16日 |
国指定伝統的工芸品指定年月日 | 昭和50年2月17日 |
県指定伝統工芸製品指定年月日 | 昭和49年6月11日 |
出典 | 工芸産業振興施策の概要 |
久米島紬は沖縄県の離島である久米島で生産され、現在でも伝統を踏襲し一人の織子がすべて手作業で製作しているのが特徴です。戦後、昭和31年頃には150反程度を生産するのみでしたが、国・県・村・業界の四者一体となった努力の結果、サトウキビに次ぐ久米島第2の産業として位置づけられるまでになりました。昭和45年度には「久米島紬事業協同組合」が設立、昭和52年度には県の無形文化財にも指定されています。昭和50年度には「久米島伝統工芸センター」を建設し、その後も「協同泥染場」や「久米島紬協同染色場」、糸括りや染織などの協同作業所として「宇江城ユイマール館」を建設しています。着尺以外にも財布やバッグなどの製品も生産しています。