与那国織は、花織・ドゥタティ・カガンヌブー・シダディの総称で、織り技術の違い等により分類されています。花織は、紋織物で、花綜絖で紋様を織りなす首里花織と同じ技法で織る着尺の絹織物が中心。ドゥタティは、島独特の筒袖の着物に用いる平織物で、縞や格子の図柄が特徴です。カガンヌブーは先染めの絣織物で木綿糸を使い、緯糸を経糸より太くして織り上げた細帯のことをいいます。シダディは多種多様に浮き出した模様を織り上げた手巾(ふきん)のことをいい、それぞれ絹・綿・麻・芭蕉の糸を福木やシャリンバイ、藍などで染め、丹念に織り上げた素朴な味わいをもつ織物です。
起源は定かではありませんが、1477年に漂着した朝鮮人によって書かれた「琉球見聞録」の中に、当時の機織りや衣服についての語録が残されていることから、少なくとも15世紀まで遡ることができると考えられています。
原材料 | 絹糸、綿糸、芭蕉糸、麻糸 |
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主な製造地 | 与那国町 |
主な製品 | 着尺・帯・布巾 など |
組合名・設立年月日 | 与那国町伝統織物協同組合・昭和58年1月17日 |
国指定伝統的工芸品指定年月日 | 昭和62年4月18日 |
県指定伝統工芸製品指定年月日 | 与那国ドゥタティ 昭和49年6月11日・与那国シダディ 昭和49年6月11日
与那国花織 平成10年6月12日・与那国カガンヌブー 平成10年6月12日 |
出典 | 工芸産業振興施策の概要
与那国町伝統織物協同組合ウェブサイト |
与那国織は、日本最西端の島である与那国島の祖納地区が中心となって生産されています。昭和57年度に「与那国町伝統織物協同組合」が設立され、昭和53年度には、製作工程の見学や与那国織販売を通して振興を図るための施設として「与那国町伝統工芸館」が建設されました。与那国織の生産額のうち、観光によるものの割合は3割程度であるため、小物類の商品開発、展示販売施設・機能の充実強化をおこなうとともに、与那国の観光コンセプトの中で個性的なものとして位置づけることでこれからさらに発展していくことが期待できます。