王朝文化の精華とも讃えられる沖縄県唯一の染色品で、友禅、江戸小紋と並ぶ日本の代表的な伝統染色物です。木綿布や絹布、芭蕉布等を用いて、製作技法には型紙を用いる「型付け」と、糊を押し出してフリーハンドで模様を描く「筒引き」があります。色によっても赤や黄などで彩色する「紅型」と、藍の濃淡で表現する「藍型」の2種類に分類されています。
正確な起源は不明ですが、15世紀以前に中国や日本を含む諸地域から紹介や移入された多様な染色品の技法を吸収し考案されたと考えられています。王府御用の染色品として手厚い保護のもと盛んに作られましたが、明治12年の廃藩置県により、政策的援助を絶たれ衰退しました。今次大戦後、紅型宗家の資料や県外にある資料などをもとに復興がおこなわれ「琉球びんがた」は、昭和49年6月11日に県指定伝統工芸製品、昭和59年5月31日には国指定伝統的工芸品として認定されています。
原材料 | 絹織物、麻織物、芭蕉布、木綿織物 |
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主な製造地 | 那覇市、宜野湾市、浦添市、糸満市、豊見城市、南城市 |
主な製品 | 着尺・帯地・飾布 |
組合名・設立年月日 | 琉球びんがた事業協同組合・昭和51年8月27日 |
国指定伝統的工芸品指定年月日 | 昭和59年5月31日 |
県指定伝統工芸製品指定年月日 | 昭和49年6月11日 |
出典 | 工芸産業振興施策の概要
琉球びんがた事業協同組合ウェブサイト |
主に那覇市・宜野湾市・浦添市・糸満市・豊見城市・南城市で生産されています。今次大戦で生産基盤を失った琉球びんがたでしたが、王朝時代の紅型宗家を中心に関係者の努力によって復興への道を歩みはじめました。昭和25年度に結成された「紅型保存会」は「紅型振興会」へと発展し、昭和48年度に、県の無形文化財の指定を受け「沖縄伝統びんがた保存会」のもとで、技法や技術の継承が図られました。そして昭和51年度には「琉球びんがた事業協同組合」が設立されました。